どう楽しむか

素敵な発想

これまでのお話しもかき混ぜて

「亭主とケンカでもしたんじゃないですか?」
…。
私がずぼら、妻が几帳面。そんな相対するような性格の中、私は毎日のように怒られている。習慣になったことは、なかなか直ることじゃない。家庭を持つまでは、もっぱら仕事人間で、仕事のためならほぼ全て捨てた。私の人生何なのかと考えることもあった。楽しいかと?そのために日々研究した。現状のまま、どう楽しむか。楽しくない状況でもどう発想したら、ストレスを軽減できるか考えた。幸いにも私は頭が悪いが強靭だった。骨が折れようが血が出ようが、病気だろうが、働いた。その結果、休むことなく研究は進んだ。ところがどっこい妻には、全く役に立たないシロモノ。
骨を折るどころか指にかすり傷作って、悠々と帰宅すると、怒る。一家の主が仕事に支障を及ぼすようなことを不用意にするなと。何回か似たようなことがあって、確信。妻に隠し事はまずできないだろうと。間違い探しを出題されると3秒ぐらいで全部みつけてくる程度の能力を有していた。つまり、そこそこ私っていけてんじゃないと独身当初は、心の隙間にあったんだと思う。妻に会って、初めてそれが崩壊した。私はダメなやつだったんだ。人生で自分の親よりも自分のことをダメだと指摘されたのは初めてだった。人格を否定されてついでにちゃぶ台までひっくり返された感じ。
私の研究はまた1からやり直しだ。
ふと、仕事で車を走らせていた。狭い路地を女性がハイヒールをカツンカツン響かせて歩いていた。ど真ん中を。後ろで徐行していると、後ろを振り向き睨んできた。
「あいつ何睨んでんだよ。」
「亭主とケンカでもしたんじゃないですか?」
…。
ここまでで大分長文ですが、今回は二本立ての約束。「ただ心配してただけ。」
…。
妻がまだ妊婦だった頃の話。
私が仕事から帰ってくると、妻が話した。今朝散歩してたら、おじさんがこっちをちらちら見てたと。気持ち悪いから、すれ違ってもそのまま歩いてるか確認すると、おじさんはまだこっちを見ていたのだと。気持ち悪かったとしきりに話す妻に、私は、
「お前は妊婦なんだよ。いつ陣痛がきてもおかしくない。おじさんは心配して見守ってたんだよ。」
本当にそう思ってたのかはわからないけど、妻には効果的だった。
そうかその発想はなかった。ただ心配してただけなんだ。
…。
次回は…。考えときます。